確かにハードウォレットは種類によって保管出来る通貨の数や機能が違います。
自分のやりたい事にあったウォレットを選択出来るように、本記事では代表的な4つのウォレットの違いや特徴を解説しています。
仮想通貨ハードウォレットとは
仮想通貨を通信環境から切り離した状態で、物理的なデバイスで管理するウォレットです。
インターネットに接続されていない事と、送金の際には手元のデバイスの物理的操作が必要になる為、取引所やメタマスクなどのウォレットに保管するより、極めてハッキングのリスクが低いのが特徴。
ハードウォレットもメタマスクと同様に、復元に使用するシードフレーズを紛失してしまうと二度と自分の資産にアクセス出来なくなるので、そこだけは注意が必要です。
色々あるウォレットの種類
ここで世にあるウォレットの種類について触れておきます。
ウォレットは大きく分類して「ホットウォレット」「クールウォレット」の2種類に分類されます。
①ホットウォレット
インターネットに接続して使用するウォレットです。
モバイルウォレット、ウェブウォレット、デスクトップウォレットの3つに分類されメタマスクやMyEtherWallet(マイイーサウォレット)など、インターネットに繋がないと使用出来ないものは全てホットウォレットに該当します。
ホットウォレットは手軽に送金が出来るので便利ですがその反面、マルウェアやWi-Fi回線からのハッキングのリスクが高いです。
※仮想通貨取引所はホットウォレットとコールドウォレットを併用しています。
②クールウォレット
インターネットへ接続せずに使用出来るウォレットです。
ペーパーウォレット、ハードウェアウォレットの2つに分類されます。
ペーパーウォレットは通貨の「コインアドレス」「公開鍵」「秘密鍵」をQRコード化して紙に印刷して保管する方法で、ハッキングのリスクは低いですが自作する必要があり、結構難しいので使っている人は少ない印象です。
一般的にクールウォレットといえばハードウェアウォレットをさす場合が多いです。
ホットウォレットの危険性
ハッキングされるのは常にホットウォレットです。
メタマスクやDifiプロトコルのハッキングなんかは毎日起こっていますし、取引所も例外ではありません。
先程、仮想通貨取引所はホットウォレットとコールドウォレットを併用していると書きましたが、仮想通貨取引所でハッキングが起こる場合は、ほぼ100%ホットウォレットへのハッキングです。
では全部コールドウォレットで管理すれば良いじゃん?という声が聞こえて来そうですが、それが出来ないので怖いんです。
仮想通貨の売買はオンラインで行うので、その売買の瞬間はホットウォレットが必要になります。
一度ホットウォレットに資産を入れた後、瞬時にコールドウォレットへ移動させる様な仕組みがあるようですが、それでもハッキング被害に合うのが現状です。
後を絶たないホットウォレットのハッキング
本日2022年3月、この記事を書いていたらリアルタイムで大規模ハッキングのニュースが。。。
Axie負けるな。。。ハッキング額700億以上。。。。
暗号資産770億円相当のハッキング被害。NFTゲーム・Axieのレイヤー2「Ronin Network」で#coindeskjapan #AxieInfinity #30秒でわかる暗号資産シリーズ https://t.co/mb9ODkRRBG pic.twitter.com/iGD2205W68
— coindesk JAPAN (@CoinDeskjapan) March 30, 2022
他にも少し紹介しておきます。
2022年3月15日には、Fantomブロックチェーン基盤のDeus FinanceとAgave、Hundred Financeの3つのプロトコルが総額16億円のハッキング被害に、、、、
We are aware of the recent exploit reports regarding the $DEI lending contract.
Contract has been closed, both $DEUS & $DEI are unaffected. Devs are working on a summary of the events, all information will be communicated once we have assessed the full situation.
— DEUS Finance DAO (@DeusDao) March 15, 2022
続いては取引所。
2121年12月9日、シンガポールの暗号資産取引所AscendEXから約90億のハッキング。
ホットウォレットから資金が盗まれ、コールドウォレットに影響は無いと発表しています。
Update to Security Incident: On December 11 at approximately 22:00 UTC, AscendEX identified a number of unauthorized transfers from one of our hot wallets. A security response was initiated immediately. Cold wallets are unaffected and any impacted users will be reimbursed 100%
— AscendEX (@_AscendEX) December 12, 2021
2021年1月9日、リヒテンシュタインを拠点とする暗号資産取引所LCXから約9億円のハッキング。
こちらもホットウォレットに不正アクセスがあった事を報告しています。
ℹ️ Incident update: At 11:23 PM CET on Jan. 9th 2022, LCX’s Technology team detected unauthorized access of one crypto wallet. A total of approx. 7.94M USD of crypto assets were stolen. 0.7M USD have been frozen. All other LCX wallets are not impacted. https://t.co/lqH81w69OV
— LCX (@lcx) January 9, 2022
ハッキングは小規模なものや個人メタマスクを含めたら1日数百件レベルで起こっていると思います。ちなみに、メタマスクやDifiなどにからハッキングされたら失った資産は100%戻ってきません。
取引所の場合は補填してくれる場合もありますが、すごく時間が掛かるのと、そのまま取引所が倒産して戻ってこない場合も多いです。
なぜハードウェアウォレットは安全なのか
ハードウォレットはインターネットに接続されていないコールドウォレットなので限りなくハッキングの被害を受けにくい事は理解して頂けたと思います。
さらにハードウォレットは資金を送金する際、手元のデバイスの操作が必要になるので物理的なハッキングのリスクはほぼ0になります。
ハードウォレットの中には仮想通貨は無い
ハードウォレットの中に仮想通貨が保管されていると思っている人が多いとおもいますが、中にあるのは「暗号化された秘密鍵」が入っているだけで、仮想通貨は入っていません。
この秘密鍵こそがブロックチェーン上にある自分の資産へのアクセス権であり、それをオフラインで保管するというのがハードウォレットの存在価値です。
ハードウォレットは資産残高を確認したり、送金手続きを行うアプリとセットで使用するのが一般的です。
アプリで送金手続き後、手元のデバイスで秘密鍵にアクセスして承認後、初めて資産を動かす事が出来ます。
秘密鍵をオフラインで管理する事の重要性
ここからは結構難しい話なので読み飛ばして下さい。
ブロックチェーン(分散型台帳)の技術が注目されている理由として「トランザクション(取引)が世界中に公開されて世界中で不正が無いか確認出来る」という大前提があります。
例えば、A君がSさんに1ETH送金するとします。
その取引に不正が無いと判断する為に以下2つを証明する必要があります。
- A君からBさんに本当に送金されたのか?
- 途中で誰かが改ざんしていないか?
この2つを証明する為に「秘密鍵」と「公開鍵」という技術を使います。
- A君からSさんに1ETHを送金した事実が秘密鍵を使って暗号化される
- 暗号化されたトランザクションがブロックチェーンに公開される
- 秘密鍵から生成された公開鍵をつかってトランザクションを検証する
この時、以下2つの大前提があります。
- A君の秘密鍵からA君の公開鍵が生成される(逆は無理)
- A君の暗号化されたトランザクションはA君の公開鍵でしか解読出来ない
つまり、暗号化されたトランザクションをA君の公開鍵で解読出来た時点で、そのトランザクションはA君の秘密鍵で生成した事で間違いなく、不正もないという事が証明出来るという仕組みです。
という事は、秘密鍵を盗まれると、そこから公開鍵が生成でき、資産を盗んだとしてもそれは不正の無い正常な取引であると世界中から認定されてしまう訳で、もう資産を取り戻す事が出来ないのです。
今までの説明で、秘密鍵をオンラインで管理する事がどれほど危険な事かはご理解頂けたと思います。
そして、秘密鍵をオフラインで管理する重要性もご理解頂けたのでは無いでしょうか。
ハードウォレットのデメリット
一見完璧そうに見えるハードウォレットですが少なからずデメリットも存在します。
価格が高い
ハードウォレットの価格は、ものにより違いますが、¥5000~¥20000ぐらいが相場となります。
メタマスクなどのホットウォレットは無料で利用出来きる事を考えると高いと思う方もいると思いますが、これだけでハッキングを回避出来るのでしたらこんなコスパの良い買い物は無いんじゃないかと。
送金するのが少々面倒
ホットウォレットと違ってデバイスの操作が加わるので、頻繁に送金をする方は少々面倒に感じる事もあります。
対応していない通貨がある
ウォレットによって取り扱い通貨が決められています。
ですが、取り扱いトークンはリアルタイムで随時増えていっているのでよっぽど出来たてでマニアックな草コインで無い限りほぼほぼ対応している印象です。
IDOやエアドロップなど本当に誕生したてのトークンを管理したい場合は、CoolWallet Pro(クールウォレットプロ)がおすすめ。
Ethereumネットワーク、BSCネットワークのトークンなら全て保管する事が出来ます。
シードフレーズを無くすと二度と資産にアクセス出来ない
シードフレーズを無くすと二度と資産にアクセス出来ません。
逆にシードフレーズさえ分かっていればデバイスを紛失しても復元出来ます。
ですがこれはメタマスクなどのホットウォレットも同様の事なのでこれは仮想通貨ウォレット全てに共通する概念です。
安全性の高い3つの主要ハードウエアウォレット
ハードウォレットの安全性は理解して頂けたと思うので、ここからは信頼のおけるハードウォレットをいくつかご紹介していきたいと思います。
※価格:2022/5
Cool Wallet Pro | Ledger Nano X | Ledger Nano S | |
本体 | |||
公式サイト | coolwallet.jp | hardwarewallet-japan.com | hardwarewallet-japan.com |
価格 | ¥18,900 | ¥21,761 | ¥9,889 |
接続方法 | Bluetooth | Bluetooth USB/C | USB Micro-B |
PC | ✕ | 〇 | ✕ |
スマホ | 〇 | 〇 | 〇 |
販売会社 | CoolBitX 台湾 | Ledger フランス | Ledger フランス |
TREZOR | SafePal S1 | SecuX W20 | |
本体 | |||
公式サイト | trezor.io | shop.safepal.io | secuxtech.com/jp/ |
価格 | 69 EUR (¥9,500) | $49.99 (¥6,540) | $199 (¥26,020) |
接続方法 | USB | QRコード (USB充電) | Bluetooth USB Micro-B |
PC | 〇 | ✕ | 〇 |
スマホ | Androidのみ | 〇 | 〇 |
販売会社 | Satoshi Labs チェコ | SafePal セーシェル | SecuX 台湾 |
更にこの中からオススメの3つをご紹介いたします。
CoolWallet Pro(クールウォレットプロ)
名称 | CoolWallet Pro (クールウォレットプロ) |
価格 | ¥18,900 |
取り扱いトークン | 主要通貨他、ERC20、BEP20 詳細はこちら |
対応 | 送受金 SWAP NFT dApps ステーキング |
セキュリティーレベル | |
公式サイト | coolwallet.io/ja/ |
草コインユーザーに最もオススメのハードウォレットです。
大きな特徴として、ERC20、BEP20トークンは全て対応しています。(これが本当にありがたい)
その為、超草コインや、IDOでローンチされた銘柄など登場したてのトークンも管理可能。
また、2022年は主要レイヤー1のNFTにも対応していくと発表しています。(2022年3月 現在はETHベースのNFTのみ)
さらに2022年のQ1にはメタマスクとの連結も実装予定。
LEDGER NANO X(レッジャーナノX)
名称 | LEDGER NANO X (レッジャーナノX) |
価格 | ¥21,761 |
取り扱いトークン | 主要通貨他1,800種類以上 詳細はこちら |
対応 | 送受金 Swap dApps ステーキング NFT |
セキュリティーレベル | |
公式サイト | hardwarewallet-japan.com |
世界で最も有名なハードウォレットです。
CoolWallet Proと同じくNFTやステーキングなど多機能、
ステーキング銘柄になどはCoolWallet Pro(クールウォレットプロ)よりも多いです。
未対応のトークンはERC20トークンであれば承認されたメタマスクなどのサードパーティウォレットを使用することも可能です。(カスタマーサポート対象外)
TREZOR(トレザー)
名称 | TREZOR (トレザー) |
価格 | 69 EUR(¥9,500) |
取り扱いトークン | 主要通貨他1000以上、ERC20 詳細はこちら |
対応 | 送受金 |
セキュリティーレベル | |
公式サイト | trezor.io |
こちらも世界的に有名なウォレットです。
機能も非常にシンプルで、主要通貨の長期ホールドなどにオススメ。
LEDGER NANO X(レッジャーナノX)と同じく、未対応のトークンはERC20トークンであれば承認されたメタマスクなどのサードパーティウォレットを使用することも可能です。(カスタマーサポート対象外)
用途別のおすすめ
- IDOやエアドロップなど草コインを保管したい
→CoolWallet Pro(クールウォレットプロ) - ハードウェアウォレットから安全にステーキングしたい
→CoolWallet Pro(クールウォレットプロ)、LEDGER NANO X(レッジャーナノX) - ハードウェアウォレットから安全にDEXで取引したい
→CoolWallet Pro(クールウォレットプロ)、LEDGER NANO X(レッジャーナノX) - NFTを保管したい
→CoolWallet Pro(クールウォレットプロ)、LEDGER NANO X(レッジャーナノX) - ビットコインなど主要通貨を長期ホールドしたい
→TREZOR(トレザー)、CoolWallet Pro(クールウォレットプロ)、LEDGER NANO X(レッジャーナノX)
まとめ
- ウォレットは大きく分けて「ホットウォレット」「クールウォレット」の2つがある
- ハッキングされるのはいつも「ホットウォレット」
- 仮想通貨取引所はホットウォレットとクールウォレットを併用している為、安全では無い
- クールウォレットは「ハードウォレット」と「ペーパーウォレット」がある
- ハードウォレットは、CoolWallet Pro、LEDGER NANO X、TREZORの3つがユーザー数が多く、信頼度が高い。
- ハードウォレットは必ず正規代理店から購入する
ハッキングは今まで積み重ねて来た事を一瞬で奪い去ります。
これほど理不尽な事がありません。
そうならない為に、自分の資産は安全にハードウォレットで管理しましょう。